福島便槽内怪死事件とはある女性宅のトイレからその女性の知人男性が遺体で発見された奇妙な事件です。前代未聞のこの事件、何があったのでしょうか。
福島便槽内怪死事件の概要!現場の場所やいつ起きたのかも確認
女性宅のトイレから遺体が見つかったこの事件は謎の多い事件として話題となりました。事件の詳細を見ていきましょう。
事件はいつ起きた?時代背景なども確認
この事件は1989年(平成元年)に起こりました。
1989年は昭和天皇が亡くなり平成が始まる、消費税がスタート、連続幼女誘拐事件の犯人として宮崎勤逮捕、リクルート事件で江副前会長逮捕、ベルリンの壁崩壊、中国で天安門事件などがあった年でした。
昭和から平成に元号が変わったり消費税制がスタートしたり日本で大きく変化のあった年でした。
事件現場はどこ?場所や住所も確認
事件現場は福島県田村郡都路村のある小学校の教師をしていた教員宿舎の女性宅の汲み取り式トイレ(いわゆるボットン便所)です。
今ではあまり見なくなったスタイルの和式トイレですが、この中に遺体があったとは驚きですね。
福島便槽内怪死事件の概要!
女性宅トイレの便槽内に遺体のあった謎の事件、概要を確認していきましょう。
遺体発見
1989年2月28日18時頃、小学校の女性教師A(23歳)は学校に隣接している教員住宅のトイレ(汲み取り式和式便所)で用を足そうとトイレに入ると、便器の中から靴が見えた為、汲み取り口から中を確認しようとすると蓋は空いた状態で便槽内に男性が亡くなっているのを発見し教頭や他の教師を呼び、その後警察に通報しました。
遺体の状態
便槽内にあった遺体の男性は女性教師Aの知男性人B(26歳)でした。
便器からは靴だけが見えていましたが、実際靴は男性Bの頭部の上に置かれており、体は便槽内に押し込められたような状態で、真冬の寒い時期にも関わらず何故か上半身裸で、着ていた白のセーターを抱き、足は曲げられた状態で死後硬直、体は糞尿まみれ、足は汲み取り口から見えた状態でした。
ちなみにもう片方の靴は現場から離れた場所の土手で発見されました。
事件現場の気温はマイナス5度で積雪が20センチもあったそうですから、上半身裸に靴も履いてないのは普通ではないですね。
便槽のサイズ
便槽内部に入るには便槽の直径36センチを通らなければ底にはいけず、日本人男性の一般的な肩幅は40センチとされているので便槽内の方が狭い為、自力で入るのは厳しく誰かに押し込められたと考える方が自然です。現に便槽からBさんを出す為にバキュームカーでトイレを壊したそうです。
警察の対応
男性Bは便槽から糞尿まみれで引き上げられた後すぐに警察により2回洗浄されてから検死、その結果狭い場所で胸を圧迫され血流が悪くなったことによる窒息死と真冬の寒さによる凍死で「凍え兼胸部循環障害」とされました。結果的に覗き目的で便槽に入り出られなくなり死亡した事故として処理されました。
事件から5年後のテレビ特番
事件から5年後テレビ番組で特集された貴重な映像が視聴できたので見てみると、実際の現場や便槽の大きさ、遺体が入っていた状況がよく分かりました。番組スタッフの方が検証で頭から便槽に入ろうとしましたが肩を無理矢理入れても脇位まで入ったあたりでそれ以上入る事も出る事もできず、別のスタッフの方に引き上げてもらっていました。
検証したスタッフの男性はBと身長はほぼ同じ、体重はBより4キロ程軽い方でしたがこの状況です。
実際Bはこのスタッフ男性より4キロ重かった事を考えると自力で入るにはかなり無理があるいう事がよく分かりました。
これらの事からBは誰かに殺害され、便槽内に押し込められ遺棄されたとも考えられますが、警察は早い段階で事件ではなく事故として処理しました。
事故と判断するのが早く、何故事件性を疑わないのか不思議です。
遺族や友人は納得できなかったでしょう。
福島便槽内怪死事件の犯人は誰?事件の真相や未解決の理由とは
警察により事故として処理されましたが世間からは事件の可能性がるのでは?Bは殺されたのでは?と噂されています。
なぜ未解決なのか?その理由や原因とは
警察は事故として処理した時点で積極的には捜査しないという事なのでしょう。その割には不自然な点がいくつもあるので確認していきましょう。
事故死?
警察はBの遺体に争った形跡が無かった為、事件性は無くBが覗き目的で自ら便槽内に入って出られなくなり死亡した事故死としました。
覗き目的だとしたら頭の上に置かれた靴や別な場所にあったもう片方の靴はどう説明がつくのでしょうか?
積雪があるのに片方の靴が脱げたまま現場に覗き目的で向かったというのはおかしいのではないでしょうか。
警察の事故扱いに世間から批判的な声が挙がり、再捜査を訴える署名活動まで行われました。集まった署名はなんと4000人でこの村の人口以上の人数です。これだけの署名が集まっても警察は結局再捜査しませんでした。
これだけの署名が集まると普通は再捜査する事が多いらしいのですが、警察はこれらの声に何故か完全に無視でした。
Aの不在とBの覗き
事件の4日前の2月24日から27日女性教師Aは休みを取って実家に帰省していました。AとBは仲が良かったらしいのでAの休暇の状況は知っていたと思われます。仮に覗き目的ならその時期覗き見る相手がいませんから覗き目的とするには不自然です。
仮にAの休暇の事を知らなかったとして、マイナス5度で積雪もある寒い時期にAが帰ってくるまで便槽に待機するでしょうか。
汚物まみれになってまで覗きをするなら本当の変態で、Bを知る人は皆そんな事をする人じゃないと口にしました。
除き目的だと判断したのが腑に落ちません。マイナス5度の東北で積雪のある時期に外にじっとしているだけで自殺行為です。
Bはそこの地元出身なのですから分かっているハズなので、そんな時期にAの除き目的というのは無いと思います。
犯人象や有力な説とは
この事件に関しては謎の多く様々な説が噂されています。
警察による隠蔽説
警察が事件の証拠を隠蔽しているという噂があります。まず、便槽内で死亡している事が判明しているにも関わらず検死前に2回も遺体を洗い流してしまっているのは問題があります。なぜなら証拠も洗い流されてしまうからです。
しかもこれだけ不可解な事件にも関わらず現場の写真も残っていないのです。
先程ご紹介したテレビの特番での検証でもこの事件の便槽に自ら入るのは厳しい事が分かりましたが、後日行われた警察の検証実験でもそれは厳しいという事が判明しています。
では何故事故扱いなのでしょうか?
事件化されると困る事が何かあるのかと疑ってしまいます。
Aの証言
Bの友人らも便槽を再現して検証をしてみたところ、やはり自ら便槽に入るのは厳しいという事でした。更に友人らの検証で、第一発見者のAが証言した「便槽内に靴が見えた」と言うのも、便槽内は真っ暗で普通は靴があっても見えないという事が分かりました。
これらの事からAは実はB死亡の経緯を知っていたのでは?という話もあります。
仮にAが第一発見者を装っていたとしたら、何故知人で仲の良かった人気者のBを殺害する手助けをするのでしょうか。
一説にはAはBに好意があったとも言われていますが、Aには婚約者がいたので恋愛がらみのもつれではなさそうです。
Bの消息不明
事件の4日前からBの行動状況は不明で、更に死亡推定時刻は便槽内で遺体が発見される2日前と推測されています。Aが帰省で不在中にBが覗き目的で便槽に入るには不自然です。
消息不明になる前日Bは「明日会わなきゃいけない人がいる」と会いたくなさそうに周囲に漏らしていた話もありますから消息不明な4日間に事件に遭ったと考えるのが普通じゃないでしょうか。警察はBの消息不明の4日間の事も知りながら事故で片付けたのです。
これだけ謎が多いにも関わらず事故と処理したので、警察が何か隠蔽しているのではないかと話題となりました。
更に検死前にも関わらず遺体を洗い流した警察官と検死をした医師は事件後同時期に離職しています。
この離職もかなり怪しいですね。
口を割らせない為に辞めさせられたのでしょうか。
原発との関連性が浮上したのはなぜ?
事件と原発との関連が浮上したのはこの村の村長選に関わりがあります。
村長選挙
この事件のあった頃この村では村長選の時期でした。
現役村長は再当選をかけて立候補しており、Bはその人望厚い人柄から村長の応援演説などを任されていました。この現役村長は原発推進派であり原発反対派より劣勢だった為、賄賂で選挙を勝ち取ろうと裏工作をしていました。
ちなみにAの婚約者は村長選関係者の次男で、その長男は便槽を壊す為にバキュームカーを手配した人物です。ずいぶん村長選とBの死に繋がりがありますね。
原発関連会社
Bは原発関連会社に勤めており、原発反対派が当選してしまうと自分の会社がどうなるのか不安でした。
実は現役村長の賄賂はBの原発関連会社が金の出所だったのです。
Bはこの賄賂の事実をある時知ってしまいました。
まじめなBはこのことを知ってから応援演説には出ないと言いました。
そして、それからBは行方不明となり便槽内で見つかる事になってしまいます。
行方不明の前日「明日会わなきゃいけいない人がいる」と言っていたのは賄賂に関わる人物だったのかもしれません。
このことから賄賂の口封じにBは殺されたとも言われています。
もし本当にそれで殺害されたとすれば、普通は海や山に遺棄しますが、必ず見つかってしまう便槽に遺棄されているので「賄賂の事をばらそうとすればこうなるぞ」という見せしめではないかとも言われています。
かなり怪しいですね。
この賄賂の金額は8000千万だったそうですからバレたらそれは大問題になります。
警察もグルになってBの殺人を隠蔽しているとすれば警察にも賄賂が流れている可能性があるのかもしれません。
事件の真相や報道されない事実はある?最新情報や新たな事実
実はBが亡くなった後、Bの上司も亡くなっており警察では自殺と処理されています。
Bが発見されたのが2月ですが、亡くなったBの上司はその前の月1月に上野駅で飛び込み自殺していたそうですが、果たして本当に自殺なのでしょうか?
自殺にみせかけた殺人という事もあるのかもしれません。
また都市伝説のような話になりますが、そもそもBは便槽内にいなかったという説まであります。
というのも警察は便槽内にBがいた様子は見ておらず、Bが到着する前に便槽は破壊されており、村ぐるみで犯行に及んだのでは?という話もあります。
原発の利権問題でこんなことまでするのでしょうか?
日本には原発がいくつもありますから世に出ていない殺人が他にも行われているのでしょうか。
解決への糸口となるポイントとは?
この事件の真相を知っていそうな人物は下記の通りです
これだけ真相を知っていそうな人物がいるのですから、誰かが口を割れば真相が分かりそうなものです。警察関係者は無理そうなので、知人で仲も良かったAに時効も成立している事ですし本当は何があったのか話して欲しいものです。
福島便槽内怪死事件の被害者は誰?現在の遺族やその後とは
ではこの事件の被害者やその遺族について詳しく見ていきたいと思います。
被害者は誰?実名や顔とは
被害者男性Bさんの名前は菅野直之さんです。
菅野さんは周囲から評判が良く、音楽とスポーツが好きで地域の役員をしたり、何かとまとめ役をやったり結婚式で司会をしたり性格も明るく人から慕われる人気者でした。
人望厚い方だったので村長選の応援演説を頼まれる事になった訳ですが、果たして菅野さんの死亡が村長選からの原発利権問題に関わる事件だったのでしょうか。
今後明らかになる事は無さそうですがこの事件は今後も歴史に残っていくでしょう。
被害者の遺族の現在やその後とは?
事件から5年後の特集番組に菅野直之さんのお父様が出演し、息子の無念をはらしたいと必死に訴えていらっしゃいました。
そして亡くなってから毎晩お父様の夢に出てきて、息子さんが「俺の仇を打ってくれ」と言うと仰っていました。
人気者だった菅野さんが覗き目的で便槽に入り、出られなくて死亡などと不名誉な亡くなり方で遺族の方は辛かったでしょう。
家族の現在について詳細は出ていませんが事件から30年以上経っていますので、当時ご両親が50歳代として現在80歳代と思われます。
時間が経ちお父様の夢にも出なくなっているでしょうか。
その後変わったことは?
震災により福島原発の稼働も止まり、福島での原発利権問題は無くなっていると思われます。
原発稼働の地域では分かりませんが…。
菅野さんの汚名が晴らせれば良いのですが、恐らく今後も新たな展開はないでしょう。
最後に便槽で死体が発見された事件は珍しいと思いましたが他にもあったので簡単ですがご紹介します。
便槽事件
・1990年東京公衆トイレ便槽内遺体事件
・1999年秋田公衆トイレ便槽覗き事件
・2010年新潟公衆トイレ便槽内遺体事件
秋田の事件は本当の覗きで逮捕されています。
逮捕された男は「暗くてよく見えなかった」「半分以上男性だった(男女兼用だった為)」「臭くて死ぬかと思った」と浅はかな覗き事件でした。
やはり本当に便槽内で覗きをする人は変態でした。菅野直之さんは絶対に違うでしょう。
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