城丸君事件とは当時9歳の男の子が行方不明となり99.9%黒だとされる犯人が分かっているにも関わらず、その犯人が裁判で無罪となった話題の事件です。
無理矢理自白強要させられ冤罪になる事件もあれば犯人と分かっていても無罪となる事件もあり、司法に対する不審を考えさせられた事件でもあります。
城丸君事件の概要！現場の場所やいつ起きたのかも確認
事件はいつ起きた？時代背景なども確認
事件は1984年に起きました。
この年はグリコ森永事件、ロス疑惑事件、えりマキトカゲブーム、アップル社がマッキントッシュを発売した時でした。
あの爆破的ヒットしたファミコンブーム、ファミコンバブルもこの年でした。
事件現場はどこ？場所や住所も確認
現場住所は北海道札幌市豊平区福住1条1丁目9-21 「二楽荘」というアパートです。ここでの目撃を最後に当時9歳の男の子が行方不明となりました。
現在はマンションに建て替えられています。
城丸君事件の概要！当時の現場の状況とは
では城丸君事件の概要を見ていきましょう。
行方不明当日
1984年（昭和59年） 1月10日午前9時半頃札幌市豊平区に住んでいる城丸秀徳君（9歳）は自宅の電話鳴ったので城丸君が出ると、その後
「ワタナベのお母さんが僕のものを知らないうちに借りたらしいから返したいと言っている。函館に行くと言っている。車で来るから取りに行ってくる。」
と言い、家を出ました。
友人との電話ではなく年上の人と話している感じだったようですが、電話の内容もよく意味が分かりません。違和感を覚えた母親は兄に後を追って様子を見るよう言いました。
ワタナベ宅
兄は城丸君を追いかけてアパート「ニ楽荘」を左に曲がったところで見失いましたが、そのアパートの横の一軒家の表札が「ワタナベ」だったのでそこで待ってみました。
待っても城丸君の姿は無かったので母親に話し、一軒家のワタナベさんのおたくを訪ねることにしました。
ワタナベさん宅からは女子高生が出てきて、そのような男の子は来ていないという事でした。
その後母親と兄は周辺を探しましたが見つからなかった為、昼過ぎには警察へ捜索願を出しました。
兄の話によると、城丸くんは兄が追いかけていることに気づき撒かれたようだったという事でした。
ついてこられるとまずい事があったのでしょうか。
警察の捜索
城丸君の家はかなりの資産家で、当初は身代金目的の誘拐だと思われました。
しかし身代金を要求する連絡は無かった為公開捜査をする事になりました。
周辺の聞き込み調査により、ホステスをしていたA（28歳）の住むアパート「ニ楽荘」の階段を上がる城丸君の目撃証言があったため警察はAを事情聴取しました。
このアパート「ニ楽荘」は兄が追いかけて見失った場所です。兄にはニ楽荘を曲がったように見えたがニ楽荘に入って行ったという事だったのでしょうか。
Aの証言
A（当時28歳）は事件当日、たまたまアパートの外に出ると小学校位の男の子がいて「ワタナベさんの家を知りませんか」と聞くので、「（ニ楽荘の隣の）ワタナベさんの家の事じゃないの？」と答えたとの事でした。
警察もワタナベさん宅に行き聴取すると、やはり先程の女子高生が出て男の子は来ていないと同じ答えでしたが、警察は念の為家宅捜索をするも怪しい点などありませんでした。
Aも重要参考人として事情聴取されますが、特に有力な情報は出ませんでした。
電話をかけてきた相手
城丸君が自宅電話を切った後「ワタナベのお母さん」と言っているので、友達のワタナベ君のお母さんが城丸君のものを勝手に借りていて、今から函館に車で行くのだけど、その前に返したいとも解釈できます。しかしそこで疑問点が挙げられます。
①勝手に借りたものを急に返したいという人が車で行くというなら、相手の家の前まで返しに来るのではないでしょうか？
ワタナベの家に取りに来るよう言っていると思われますが取りに来させるなら失礼な気がします。
②仮に借りていたものを返したいからワタナベの家に取りに来て欲しいと言ったとして、Aに「ワタナベさんの家はどこですか」と訪ねているので電話をかけてきたワタナベの家の場所を城丸君は知らないという事でしょう。その状態で9歳の子供に取りに来るよう言うのは不自然です。
③友達にワタナベという名前の仲の良い友達や親戚などはいなかったそうです。
実在する友達などの名前を使わなければすぐにおかしいと分かってしまうのに交友関係がない名前を何故使ったのでしょうか。アパート横の一軒家のワタナベさん宅を怪しいと思わせた可能性があります。
火事跡から人骨
1987年12月30日城丸君が不明になって3年後、Aの嫁ぎ先で火事が起きAの夫が亡くなりました。この時Aの夫には保険金が1億以上かけられており、Aは保険金を請求しています。この火事はAが放火した疑いがあり保険会社は支払いを拒否しました。
その後Aの夫の兄が火事の後の片付けをしていると、人骨らしきものが発見されました。兄はAを怪しんでいた為すぐに警察に届け出ましたが当時の技術では誰のものか特定できませんでした。
警察はAに疑いをかけポリグラフ検査をすると反応がありましたが人骨が誰のものか特定されなかった為、Aをどうにもできませんでした。
容疑と裁判
1998年再度人骨をDNA鑑定すると城丸秀徳君のものだと判明した為、Aを逮捕し殺人罪で起訴しましたが、この時事件から14年も経っており、傷害致死、死体損壊罪、死体遺棄罪については既に時効整理、殺人罪としても時効成立の1ヶ月前でした。（現在殺人の時効は撤廃）
そんな中Aは検察の400あまりの質問に黙秘を貫き通しました。
Aの弁護士は以下の理由でAの無罪を主張しました
- 金に困っていない
- 身代金目的の誘拐も要求していない
- 城丸君を殺す動機なし
結果的に2001年5月Aの無罪が確定しました。
そしてAは刑事補償（無罪判決者への補償）を1160万円請求し、札幌地裁はAに930万円支払を命じました。
これにより犯人は分からないまま城丸君と火事で亡くなったAの再婚相手の夫は犠牲者となったまま遺族は苦しむ事になりました。
生活保護を受けていたこともあるAが多額の借金があることは、ネット上でもかなり出ていますが、弁護士の言う「金に困っていない」は無理があるのではないでしょうか。
黙秘権を使って何も話していないのですから殺す動機があるかないか分かりません。
犯人ではないなら本人から反論を主張して欲しいものです。
930万円は私達の税金から出ていますから本当に納得いきません。
城丸君事件の犯人は誰？真相や工藤加寿子のその後とは
犯人はAだと思われますが、そのAとはどんな人物なのでしょうか。詳しくみていきましょう。
なぜ未解決なのか？その理由や原因とは
Aの無罪が確定しましたが、城丸君の骨はAの嫁ぎ先の火事跡の納屋から発見されています。
それはどう説明がつくのでしょうか？
限りなく怪しいAが無罪となれば別な犯人がいるということになりますが、A以外考えられないでしょう。
しかし、城丸君を殺害した決定的な証拠がない為警察もどうしようもないのです。
犯人とされる工藤加寿子とは何者？
犯人とされるAは工藤加寿子 という女性です。
工藤加寿子のこれまで
加寿子は19歳以降夜の世界で働き、1度目の結婚は1982年（昭和57年）で娘を授かりました。
しかしその翌年離婚し、城丸君失踪の時は娘と2人暮らしで生活保護を受けていました。
その後1986年（昭和61年）再婚し、1987年火事で亡くなったのはこの再婚の男性です。
加寿子の不自然な点
城丸君の事件や嫁ぎ先の火事で加寿子に関しておかしな点がいくつもあります。
多額の借金があった
加寿子は1000万円とも言われる多額借金があり、城丸君宅がかなりの資産家だったので借金返済の為身代金目的で誘拐したもののうまく行かなかった可能性があります。
生活保護を受けていたので多額の借金じゃなくてもお金に困っていたのは事実でしょう。
裁判で弁護士が経済的に困ってないと言ったのは何だったのでしょうか。
城丸君失踪当日大きな段ボールを運んでいた
城丸君が行方不明となった日、加寿子が大きな段ボールを運んでいた姿が目撃されています。その後段ボールを燃やす姿もあり、異臭を放っていたという話です。
城丸君が入った段ボールだったとも考えられますが、この件に関して警察が聴取すると加寿子は何も知らないと答えたそうです。
犯人が聞かれたら知らないと言うでしょう。
それ以上調べなかったのでしょうか？不思議です。
娘しかいないのに男の子用机
加寿子には娘しかいないのに何故か男の子用の机を起き、毎日仏壇に手を合わせていたそうです。
城丸君を殺害して申し訳ないという気持ちからの行動でしょうか。
再婚夫の発言
火事で亡くなった夫は加寿子と結婚してから覇気がなくなり、兄に「（加寿子に）殺されるかもしれない」と漏らしていました。
兄弟にそんな事を言うのは本当に殺されると思う何かがあったのでしょうか。
深夜の火事にも関わらず外に出る準備万端
深夜の火事にも関わらずパジャマではなく外用の洋服に髪もセット、靴下にブーツまで履いて火事現場から娘と逃げています。
加えて銀行の通帳と生命保険の保険証書はきっちり持ち出していました。
火事が起きてヘアセットや靴下にブーツと外着は明らかに準備しないと無理ですよね。
火事が起きてすぐ119番せず300m離れて通報
火事は2階で起きたそうですが1階に居た加寿子はすぐ通報せず300mも離れた場所から通報しています。
300m先とは緊急事態にしてはだいぶ離れたとこれまで行って通報しているのが変ですね。
普通となりのお宅などに駆け込むのではないでしょうか。旦那が火事で2階に取り残されているのに不自然ですね。
亡くなった夫に1億以上の保険金
夫の保険金は1億9千万とも言われています。
保険金請求するも保険会社からは加寿子の放火の疑いがあり支払はされていません。
それにしても保険金の額が凄いですね。
火災事の加寿子の不自然な行動を考えれば支払われないのも当然でしょう。
身代金目的から保険金目的
そもそも身代金を要求求しても成功するとは思えません。
資産家の自宅に電話して秀徳君を呼び出し行方不明となれば身代金目当てだろうと、逆探知されて犯人からの連絡を待つ事は容易に想像がつきます。
もし加寿子1人で身代金を狙ったとしたらいくら要求してどうやって受け取るつもりだったのでしょう。
火災による死亡保険金も、結婚して1年の夫婦仲良くない妻が1億9千万円の保険請求とは素人でも怪しいと考えてしまいます。
亡くなった夫は見合いで加寿子に一目惚れして結婚したそうですがまさかこんな目に会うとは夢にも思わなかったでしょう。
別の女性、もしくは独身のままだったらまだまだ生きられたでしょう。気の毒でなりません。
工藤加寿子の現在やその後
その後加寿子は3度目の結婚をしますが、その相手とも離婚しています。
3度目の結婚相手は無事生きているのでしょうか？
もしかしたら現在4度目、5度目の結婚をしているのか、人とのトラブルに疲れて1人でひっそり暮らしているかもしれません。
解決への糸口となるポイントとは？最新情報など
科学捜査が飛躍的に発達した現在、当時分からなかった事も再捜査で新たな事実が分かるのではないでしょうか？
自白があればまた事態は変わるでしょうが、無罪となり930万円も受け取り、39年経った今更67歳になって自白するとは思えません。
城丸君の人骨が出ている訳ですから現代の科学の力で解決へ導いてほしいものです。
城丸君の遺族やその後とは
資産家である城丸君の遺族はその後どうなったのでしょうか？
城丸君とはどんな子だったのか
城丸秀徳君は城丸家の次男でした。
家族は父、母、兄、姉の5人家族です。
大変資産家で父親は会社社長、家は120坪の豪邸で、BMW.やポルシェなど高級車3台所有していました。
城丸秀徳君は裕福な家庭でのびのび育っていた事でしょう。
一部の情報によると工藤加寿子と城丸君は顔見知りだったようです。お互いの家は100mの近所でしたから挨拶程度はしていたのかもしれません。
もしくは目をつけた加寿子が近づいた可能性もあります。
被害者の遺族の現在やその後とは？
加寿子の無罪判決後、遺族はAとその弁護士、司法に対し下記の批判をしました
- 黙秘権を悪用せず話をして欲しかった
- 黙秘権は権利であるが弁護士は事実を追求せず言いがかりで無罪にしたと思う
- 黙秘を続ければ無罪になってしまう。そんなのおかしい。
確かに言ったもの勝ちの逆で言わないもの勝ち状態でしたから、遺族は納得できないし許せないでしょう。
ご遺族の方が現在どうしてるか分かりませんが、何年たっても加寿子から真実を語って欲しいと望んでいるでしょう。
城丸君事件によりその後変わったことは？
工藤加寿子が黙秘権を使って裁判で何も話さず無罪判決となった事で遺族の方々はもちろん、世間から批判の声があがりました。
現在は裁判員裁判制度がありますから、今の時代なら民事裁判で加寿子は無罪にはならないでしょう。
子供が亡くなる事件は胸が痛みます。
火事で亡くなられた2番目の旦那様もお気の毒です。
この事件は本当に後味の悪い事件でした。
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